サイバーパンクの世界観を作るなら、まず人々に役立つ技術を一つ決め、誰が管理するかを考えます。次に、その便利さと負担が仕事、住まい、移動、人間関係へどう広がるかを追い、最後にその仕組みの中で選択を迫られる人物を置きます。街の景色は雰囲気を伝えますが、暮らしへの影響が物語の土台になります。
これは全作品に共通する条件ではなく、制作のための手順です。以下の「身体部品の定額契約がある街」は、この記事の説明用に作った設定で、Ghost Terminalの舞台ではありません。
1. 役に立つ技術を一つ決める
脅威ではなく、まず利点から考えます。この街では交換可能な身体部品を月額契約で利用できます。手を負傷してもすぐ修理を受けられ、専用品を待たずに仕事へ戻れます。住民が仕組みを受け入れる理由がここにあります。
同時に制約も決めます。部品には保守と利用認証が必要です。その条件がなければ、定額契約は生活をほとんど変えません。細かな技術仕様をすべて作るより、何ができ、何に頼ることになるのかを明確にします。
2. 管理する人や組織を具体化する
企業は部品と認証サービスを所有します。診療所は取り付けを担当しますが、契約を変更できません。市は企業の記録を、一部の仕事に就けることの証明として認めています。三者の権限を分けると、漠然とした「悪い企業」よりも街の仕組みが見えてきます。
承認、拒否、修理、異議申し立て、解約を誰が扱うのかを決めましょう。この街では住民が交換を申請できますが、料金の争いは請求元の企業が審査します。別の診療所が修理できても、部品の認証権限は持たないかもしれません。職員全員を悪人にしなくても対立が生まれます。
3. 費用と影響を街全体へ広げる
定額契約は身体だけに関わりません。倉庫の機械は認証された手を前提に動くため、雇用条件が変わります。安い住宅は認定診療所から遠く、通院に時間がかかります。雇用主が上位契約を払う労働者だけが、駅の優先通路を使えます。警備員には認証の有効期限が見えても、料金を争っている理由までは分かりません。
誰が得をするかも比べます。給与の高い社員はすぐに保守を受け、転職もしやすい。業務委託の配達員は契約料を払うために仕事を続けます。使わない人にも仕事はありますが、応募できる職場は減るかもしれません。同じ技術が実際に役立ちながら、負担を不均等に分けています。
4. 一日の出来事で設定を試す
配達員の手が、勤務前に不調になります。診療所なら直せますが、雇用主からの前回の支払いは審査中です。手は日常の動作に使えても、倉庫のゲートは仕事用の認証を受け付けません。同僚が手動の台車を貸してくれます。勤務後、配達員は未払い分を解消する代わりに企業の管理が長く続く新契約を受けるか、選ばなければなりません。
短い場面でも、装置の働き、利用権限、争いへの対応、残された手段を試せます。無料の診療所に行けば何も失わず解決するなら、この仕組みの影響は弱いでしょう。反対にすべての道を塞ぐと、人物に選択の余地がなくなります。
5. 人々の違いと変化の余地を残す
住民の反応は一つではありません。修理の協同組合が故障を記録し、料金への異議申し立てを助けるかもしれません。診療所の職員が手続きの方法をそっと教えることもあります。管理職は定額契約が本当に労働者を守ると信じているかもしれません。こうした立場があると、街は抑圧を示す図だけで終わりません。
自分の設定を作るときは、次の問いで確かめられます。
- 技術はどんな問題を実際に解決するか。
- 誰が所有し、修理し、利用を止められるか。
- 仕事や地区によって費用はどう変わるか。
- 故障した日は、どんな普通の用事が難しくなるか。
- 一人で変えられることと、協力が必要なことは何か。